活性酸素

日々私たちが生きていく中で必要な酸素は、食物から摂った栄養を燃焼してエネルギーを産生するのに欠かすことのできないものです。燃焼してエネルギーを産生する際、大部分の酸素は水になりますが、一部は活性酸素となります。そして、この活性酸素は体の防衛上、重要な役割をもつ[有益な面]と[有害な面]とを合わせもっているのです。

活性酸素の有益面

■異物の侵入に対する食細胞の活性酸素産生

異物の侵入に対する食細胞の活性酸素産生

細菌やウィルスなど病原菌をはじめ、体にとっての異物(雑菌・カビなど)となる物質が体に侵入してくると、血液中(白血球)の「食細胞(主に好塩球、マクロファージという細胞)」が侵入した異物を取り込むことで、体を守ってくれます。異物を食べた食細胞は、食細胞の膜から活性酸素をつくり、分泌して、取り込んだ異物を溶かして消化します。

活性酸素の有害面

必要以上に活性酸素が体内に作り出されると、その過剰な活性酸素が食細胞内から流出します。流出した活性酸素は正常な細胞や組織を溶かしたり、刺激を加えてさまざまな障害を与えるようになります。強力な力をもっていますが、体内でできると瞬時に消滅してしまいます。

活性酸素が作り出す過酸化脂質

体内や体外にある脂類(不飽和脂肪酸)と活性酸素とが反応して、体内の脂を酸化し、過酸化脂質(悪玉コレステロール)を作り出します。この過酸化脂質は活性酸素に比べて力は弱いのですが、白いに濁った液状の脂で、尿から体外に排出されず、組織や臓器の表面に付着して侵入していきます。長時間かけて臓器や組織を破壊していくという、性質の悪い化学物質なのです。

過酸化脂質が付着することで、血管の壁を脆くしたり、血流を妨害したり、ストップさせたり、血管が破れたりします。例えば、動脈硬化では血管中のコレステロールなどの脂質類が増加しても、直接動脈硬化にはなりにくいのですが、過剰な活性酸素が作用することで、過酸化脂質を作り出し、それが血流を悪くするため起こります。

■活性酸素が原因で発生する代表的疾患

成人病 ガン、白血病、脳卒中、心筋梗塞、動脈硬化
一般疾患 肝炎、腎炎、糖尿病、白内障、アトピー性皮膚炎、シミ、シワ、ソバカス 
難病 ベーチェット病、関節リュウマチ、膠原病、クローン病、潰瘍性大腸炎

脳卒中

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